Deep Brandingとは

マーケティングとは人の行動心理を逆手に取り、あるべき場所、需要のあるところに消費者の手に届く、痒いところに手が届くものを作らなくてはならない。

これらのマーケティング手法の概念は、西洋から日本へやって来たと言われていた。
しかし、日本には古来から伝わるマーケティングと類似した方法が多岐にわたり存在していたのだ。

その中の一つにある代表的なものが「迷信」である。
例えば「夜に爪を切ると親の死に目に会えない」という言い伝え。

江戸時代、農民が国民の80%を占め、「農民の国」とまで呼ばれた日本では、大人から子供まで外に出て一日中農業をする。
農民たちは、生活していく上で必な”手”が、当然に商売道具の一つとして大切にされていた。

現代のように電球の無い時代、夜になると暗くなった部屋を照らすものは行燈の薄灯り。
便利な爪切りなどは存在しない時代で、伸びた爪を切るものはナイフなどの刃物が使われていた。

行燈で照らされた薄暗い中、ナイフで爪を切る際に誤って指先を傷つけようものなら、怪我した傷口からばい菌が入り手が化膿し、最悪死に至ってしまう。

ただし、爪は毎日伸びるし、忙しい朝に切り忘れたら、どうしても時間のある夜になってしまう。

危険性のわかる大人たちは口をすっぱくして子供たちに、危険だから爪を切るな!と言っても子供はすぐに忘れて暗い中爪を切る。

そこで
「夜に爪を切ると親の死に目に会えなくなる」
と噂を作り流したところ、それはまずい!と夜に爪を切ることをピタリと止める事になる。

“ソーシャルコピー”が、行動心理を変えた瞬間である。
ところが、この話の効力はこれだけでは治らなかった。

よその家に伝わり、そしてその村に広がり、日本全土、そして令和になった現在でも知らない日本人はいない、という程に語り継がれる、最大の、長期にわたる口コミ効果を生み出したのだ。

この”迷信”こそが、時代を跨ぐ口コミを生み出した最高のブランディングとなった。

これはあくまで一例であるが、このように西洋からマーケティングが入ってくる前から、古来日本人たちが既に作り上げていた本質的な概念が無数に存在する。

Deep Brandingとは、そのような伝統的手法の概念を〝日本の歴史〟から読み解き、最新の手法や感性と融合・深掘りすることで、日本に最も相応しいマーケティング・ブランディングのあり方を確立するものである。

Deep Branding Japan 編集長 プロフィール

オキタ・リュウイチ Ryuichi Okita
1976年4月16日徳島県生まれ。
早稲田大学人間科学科中退。行動経済学に類した独自の経済心理学を研究し、日本で初めてマーケティングに応用。過去にプロデュースしたプロジェクトの数々は、大前研一氏の「ビジネスブレイクスルー」、「ワールドビジネスサテライト」はじめ、「めざましTV」「金スマ」など、各種メディアで特集されている。主著『5秒で語ると夢は叶う』サンマーク出版、『生きテク』PHP 研究所 など。

略歴

2007年

「フォーマルギフトフエア」大賞 受賞

2008年

青年版国民栄誉賞 “人間カ大賞” 受賞

2008年

「BEST STORE OF THE YEAR」最優秀賞 受賞

2008年

「JAPAN SHOP SYSTEM AWARDS」最優秀賞 受賞

2008年

京都ビジネス最優秀賞 受賞

2011年

楽天内祝い大賞

2011年

EXPO賞 受賞

2012年

「地域社会とお寺の活性化コンペティション」優秀賞受賞